開幕時点は復活の兆しを見せたものの、再び苦しんでいるのが広島のかつての守護神、中崎翔太だ。ここまで6ホールドをマークしているが、4月28日のヤクルト戦、30日の中日戦といずれも打ち込まれて1/3回で降板し、現在は二軍調整となっている。抑えの栗林良吏も昨年ほどの安定感がないだけに、チームにとっては中崎の早期離脱は頭が痛い問題と言えそうだ。

 ここまで明暗ははっきりしている印象だが、レギュラーシーズンは100試合以上を残しており、不振の選手もまだまだ巻き返しのチャンスはあるはずだ。一度地獄を見た選手の復活はファンに与える勇気と希望も大きいだけに、今後も鮮やかな復活劇が多く見られることを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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