4月30日のロッテ戦では佐々木朗希の162キロのストレートを弾き返して、ZOZOマリンスタジアムでの連続無失点イニングを21で止めたことも印象深い。ホームランこそここまで1本と少ないが、ツーベースは8本マークしているように持ち前のパンチ力も健在だ。ここまでは8番など下位を打つことが多いが、今後は本来の打順である2番での活躍に期待したい。
投手で目立つのが田中将大(楽天)の復活だ。大きな期待を受けて日本球界に復帰した昨年は防御率こそ3.01ながら、味方の援護にも恵まれず4勝9敗と日米通じて初めて負け越しでシーズンを終えた。しかし今年はオープン戦から順調な調整ぶりを見せると、開幕後もここまで先発した5試合全てでHQS(High Quality Start。7回以上を投げて自責点2以内で抑える)を達成しているのだ。
防御率1.46は千賀滉大(ソフトバンク)に次ぐリーグ2位、1イニングあたりの被安打プラス与四球を示すWHIPはリーグ3位の0.84とハイレベルなパ・リーグ先発投手陣の中で、いずれもトップクラスの数字を残している。チームはここまで首位を快走しているが、その中にあっても存在感はやはり圧倒的なものがある。日米通算200勝まであと16勝と迫っているが、今の状態を維持することができれば、今年中の達成も決して不可能ではないだろう。
一方のセ・リーグでは過去2年間苦しんだ上茶谷大河(DeNA)が先発として復活を見せているが、それ以外では苦しんでいる選手が目立つ印象だ。特に心配なのが巨人のエース、菅野智之の状態だ。オープン戦から打ち込まれるシーンが目立ち、シーズン開幕後も3勝はマークしているものの、防御率は3.78と本来の姿には程遠く、4月30日には右肘の違和感で登録抹消となった。12日のDeNA戦での復帰が報じられているが、昨年も1年を通じて調子が上がらず、5回もの登録抹消を経験しているだけに楽観視は出来ない状況だ。