市立船橋からプロ入りして3年目となる鈴木唯人(清水)も注目のタレントだ。高卒1年目から試合経験を積み、2年目にレギュラー定着を果たし、今年1月のA代表合宿に招集された秀英アタッカー。武器は高いテクニックを礎にしながらも、力強く推進力のあるドリブル突破。プレーのアイデアも多彩で、献身的な守備でもチームに貢献できる。局面では“違い”を見せており、J1のリーグ戦で今季全13試合にスタメン出場した中で3得点(5月16日時点)というゴールシーンを増やすことができれば、さらに“恐れられる選手”になれる。

 昨季、城彰二以来史上2人目となる10代選手での2ケタ得点を達成した荒木遼太郎(鹿島)の能力と可能性も、非常に高く、楽しみなものがある。東福岡時代から高い技術と広い視野、優れたキック精度でゲームを支配していたが、プロではゴールへの意識を強めてバイタルエリアの中で決定的な仕事を連発し、昨季のベストヤングプレー賞に選出された。10番を背負った今季はヴァイラー新監督のサッカーへの適応に苦しんで出番を減らしているが、ここから「必ず這い上がってくるはず」と信じられるプレイヤーだ。

 その荒木と同学年のチームメイト、松村優太(鹿島)も期待の選手だ。静岡学園時代に全国制覇を果たし、“和製アザール”と呼ばれた切れ味抜群のドリブラー。昨季はリーグ戦22試合に出場して2得点。今季は故障の影響で出遅れたが、途中出場で存在感を示しながら4月29日の第10節からは3試合連続でスタメン出場。右サイドを切り裂いて好クロスを送り込むとともに、自らもゴールを狙い、相手の脅威となっている。細かいボールタッチと抜群のスピードに加えて体幹の強さも際立ち、伊東純也の後継者となり得る存在だ。

 彼ら以上にスケールの大きさを感じさせるのが、国見出身の“和製ハーランド”中島大嘉(札幌)だ。身長188センチ、体重77キロの体躯は、坊主頭とともにピッチ上でひと際異彩を放つ。4月2日の浦和戦で見せた爆走ドリブルは圧巻で、同22日のルヴァン杯・京都戦では高打点ヘッドで2得点を叩き込むなど、怪物ぶりを見せつけている。まだ19歳であり、ボールの受け方やタイミングなど課題は多くあるが、荒削りなほど彼が持つ「強さ」と「高さ」と「速さ」が魅力的に映る。「目標はバロンドール」と語るビッグマウスも成長の促進剤になるはずだ。

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