将来的な日本代表入りが期待される札幌の中島大嘉(写真/gettyimages)
将来的な日本代表入りが期待される札幌の中島大嘉(写真/gettyimages)

 今年の11月21日に開幕するサッカーW杯カタール大会。日本代表にとっては7大会連続7度目のW杯出場となるが、その中で変化してきたことの一つにチーム内における「高体連出身者」と「ユース出身者」の割合が挙げられる。

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 日本がW杯に初めて出場した1998年の登録メンバーにクラブユース出身者はおらず(帰化選手の呂比須ワグナーを除く)、2002年(日韓)、2006年(ドイツ)、2010年(南アフリカ)のチームも「高体連出身者」がチームの大半を占め、ユース組は5人以下という状況が続いていた。だが、2014年(ブラジル)は23人中10人、前回の2018年(ロシア)は23人中11人と「ユース出身者」が一気に増加。

 現在の森保ジャパンでも、吉田麻也、冨安健洋、酒井宏樹、中山雄太、遠藤航、板倉滉、田中碧、原口元気、南野拓実、久保建英、三笘薫らがJユースで育った面々である。しかし、高体連のレベルが決して下がった訳ではなく、伊東純也、守田英正、大迫勇也、上田綺世、古橋亨梧、前田大然など高校のサッカー部で鍛練を積んでからプロとなり、日本代表に名を連ねているプレイヤーも少なくない。そして今後を見据えても、代表入りが期待される高体連出身の逸材たちが次々と頭角を現している。
 
 今季のJ開幕戦で高卒ルーキーながらスタメン出場を果たして話題となったのが、松木玖生(FC東京)だ。青森山田の主将にして高校サッカー界のキングと呼ばれた男。今年4月に19歳になったばかりだが、フィジカルの強さ、プレーの強度はすでにJリーグのトップレベルでも遜色なく、新しい環境でも物怖じせずに自らのプレーを表現できるメンタルの強さはスターの証だ。確かに技術面に改善の余地はあるが、第2節以降もピッチに立ち続けていることで順調に経験値を積み重ねており、戦う姿勢を見せ続けながら5月3日の第11節・福岡戦では待望のプロ初ゴールをマーク。不在が続いている日本代表の“闘将”になれる資質を持っている。

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アタッカー陣に逸材目立つ