国家公務員総合職トップの東京大学
国家公務員総合職トップの東京大学
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 国家公務員総合職は「キャリア」「エリート官僚」といわれ、難関大学の学生から人気が高い。彼らは国の重要な政策立案を担う、中央省庁の将来の幹部候補だ。国会議員が答弁する際、後方から助言する姿をよく見かける。国会の答弁でも、官僚は重要な役割を果たす。

【ランキング】国家公務員試験合格者の出身大学は?(全6枚)

 国家公務員総合職試験合格者数(2021年)のベスト5は、東京大362人、京都大142人、早稲田大98人、北海道大82人、岡山大78人だった。

国家公務員総合職試験合格者数ランキン位グ 1~15位
国家公務員総合職試験合格者数ランキン位グ 1~15位
国家公務員総合職試験合格者数ランキング 16~35位
国家公務員総合職試験合格者数ランキング 16~35位

■東京大に陰りが見えはじめた

 なぜ、東京大はそれほど強いのか、それは大学の成り立ちと関係がある。東京大の前身である帝国大の役割は「帝国大学ハ国家ノ須要ニ応スル学術技芸ヲ教授シ……」(帝国大学令)とある。「須要」とは、「なくてはならないこと」、つまり、国家に必要なことに応えるための専門分野を教え、もっと平たく言えば政策を考える専門家を養成、ということになる。

 こうして東京大は戦後も半世紀以上にわたってトップの座に君臨してきた。そして多くの官僚を生んだ。

 しかし、2010年代半ばから陰りが見えはじめた。

 東京大からの合格者数は2015年459人→16年433人→17年372人→18年329人→19年307人→20年249人と右肩下がりを示している。21年は362人と100人以上増やして持ち直した。だが、2000年代までは500人を超えていたので、いまはかなりの低水準にあるといえるだろう。

 これには、さまざまな理由が取りざたされている。

 国会答弁作成などで徹夜仕事の連続を強いられても、それに見合う給料をもらっていないこと。20代、30代のうちに働きがいがないと感じること。中央官庁で不祥事が続き、国会で対応する官僚のしどろもどろな様子や、国民の疑問に答えようとしない様子が報じられること、などだ。

 とくに「森友・加計学園」をめぐる問題での財務省担当者の対応が、官僚志望の学生を失望させたことは想像に難くない。

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