「細野晴臣さんらしいポーズをしてください」と伝えたら、この表情に。「細野さんっていつも自然体でこんな感じなんですよ」と塙さん(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
「細野晴臣さんらしいポーズをしてください」と伝えたら、この表情に。「細野さんっていつも自然体でこんな感じなんですよ」と塙さん(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)

■細野さんとの仕事でなければ断ってた


 この春に刊行された書籍『細野晴臣 夢十夜』(KADOKAWA刊)は、細野氏が自身の見た夢を記した夢日記37篇と、その夢をモチーフに朝吹真理子、リリー・フランキー、塙の3氏が書き下ろした短篇小説9篇を収めたもの。塙さんは“もしも大谷翔平が〇〇〇だったら”をテーマにした「PLAYBALL」、師匠の内海桂子さんとの思い出を題材にした「うるせえ! くそジジイ!」、細野氏の夢に出てきた架空の沖縄の歌手を“ヤホー漫才”のネタにした「さとう龍平」の3篇を寄稿している。


「ここ何年かの仕事で、いちばん大変でしたね。夢ってツッコミようがないから、漫才のネタにもなりづらいし、何をどう書けばわからなくて。細野さんの仕事じゃなかったら、引き受けてないですね(笑)」


 また現在開催されている細野晴臣デビュー50周年記念展「細野観光1969-2021」(埼玉県所沢市「ところざわサクラタウン」にて6/26まで開催予定)では、星野源さん、高橋幸宏さん、水原希子さんとともに塙さんも音声ガイドを担当するなど、両者の交流はさらに深まっている。


 漫才、ラジオパーソナリティのほか、テレビドラマに出演したり、自ら主宰する劇団やYouTubeチャンネルを立ち上げるなど、精力的な活動を続ける塙さん。表現の幅を広げるのも、細野さんの影響だとか。


「細野さんは時期によってやってることが全然違うんですけど、ただずっと好きなことをやってるだけなんだろうなと思っていて。YMOは大ヒットしたけど、売れるかどうかは関係なく、他にやりたいことができたら、すぐにそっちにいっちゃう(笑)。それは理想だし、羨ましいですね。自分もまだ40代。“浅草の漫才師”というイメージがあるからこそ、自由にいろんなことをやってみたいですね。細野さんとも、もっと仲良くなりたいです(笑)」


(森 朋之)


塙宣之(はなわ・のぶゆき)/漫才師。漫才コンビ・ナイツでボケを担当。1978年千葉県生まれ。佐賀県育ち。2001年ツッコミ担当の土屋伸之とコンビを結成。03年の漫才新人大賞受賞をはじめとして数々の賞を得ている。08~10年に「M−1グランプリ」決勝進出、11年「THE MANZAI 2011」準優勝。2007年には史上最年少で漫才協会の理事に就任し、15年からは副会長をつとめている。多くのテレビ、ラジオ、舞台で活躍中。近著に「細野晴臣 夢十夜」(細野氏が見た夢を題材に、朝吹真理子、リリー・フランキー、塙が書いた短篇小説集)。現在、埼玉県所沢市の「ところざわサクラタウン」にて開催中の展覧会『細野観光1969-2021』では音声ガイドも担当している。


■細野晴臣デビュー50周年記念展「細野観光1969‐2021」in ところざわサクラタウン
https://tokorozawa-sakuratown.com/event/hosonokankou.html

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