最後に、市販の便秘薬に多い「アントラキノン系下剤」の副作用による便秘にも触れておきましょう。アロエ、センナ、大黄を含み、「大腸を刺激」して排便を促すタイプの薬です。
毎日使うと常用量では効かなくなり、下剤依存症になりやすい薬です。その結果、薬の強い刺激の副作用で腸が弛緩し、最重症の便秘になる恐れがあると白倉医師は言います。
「大腸内視鏡検査をすると、このタイプの下剤の副作用で、腸に『大腸メラノーシス』という色素沈着が起こり、腸が黒くゴムのように伸びている事例が多く見られます」
治療薬はアントラキノン系以外もあり、処方薬には多くの種類があります。便秘は専門医の診察が必要な「病気」です。まずはこの機会に、生活習慣を振り返ってみることをおすすめします。
(文・狩生聖子)
※週刊朝日2022年6月10日号より