しかし、コロナ禍となった2020-21年は優勝争いこそあるが勝ち星がなく、今季は「中日クラウンズ」の7位タイが最高。2018年、2019年に選手会長を務めるなど、衝撃のデビュー以来ツアーの顔としての存在感は変わらないが、成績だけで比較すると、米ツアーで活躍しアジア人初のマスターズ王者となった同級生・松山英樹とはかなり水をあけられている。

 そんな石川は、さらなるレベルアップと米ツアー再挑戦を目指し、肉体やスイングの改造に2年以上取り組んでいる。その理由は、それ以前のゴルフに課題があるからだろうし、筋力がついた身体にマッチするスイングを見つけ出すためということになるのだろう。

 実際、スタッツを見てみると筋力アップとスイング改造が、少しずつではあるが成果として現れている部分がある。

 一番はその飛距離だ。プロ転向した2008年、石川のドライビングディスタンスは平均290.37ヤードで7位。2010年には296.79ヤードを飛ばして3位となり、ツアー屈指の飛ばし屋の一人となっていた。

 しかし、米ツアーから戻った2018年は289.35ヤードで22位。これでフェアウェイキープ率など正確性が増しているならよかったが、それは低迷したままで、スタッツだけで判断すると飛距離を落としただけということになる。
 
 ところが2019年、2020-21年はドライビングディスタンスでそれぞれ300.92ヤード(9位)、300.16ヤード(7位)と300ヤード超え。今季はここまで291.05ヤードと再び数字を落としているが、これはシーズン序盤の数字で参考程度。もちろん道具の進化も飛距離アップに寄与している可能性はあるが、石川はキャリアの中で今が一番飛んでいると言える。

 一方、プロ転向してからこれまで改善できずにいる部分がある。それがフェアウェイキープ率だ。石川は“ハニカミ王子”の当時から「飛ぶけど曲がる」ゴルファーだった。2008年のフェアウェイキープ率は52.57%で62位。さらに2009年から2012年までは一度も5割を超えたことがなく、2011年には43.13%で106位という低迷ぶりだった。

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石川の“正確性”は今後上がっていくのか