またゴミ収集スペースも要チェック。ゴミの分別がされていなかったり、スペースそのものが荒れていたりしないかを確認しておく。【3】バルコニーを外から眺めると、年齢層や暮らしぶりが想像できるほか、鳥よけの網などがかけられていれば、鳥のフン害や鳴き声などの問題を抱えている可能性もある。

「すでに住人がいる中古マンションは、不動産屋が案内しないところにこそ、本音が潜んでいることが多い。他人と共存する住まいだからこそ、この3点は事前に確認することをお勧めします」(日下部さん)

【場所選びの注意点】

(1)駅近、周辺の道が平らであること

「駅から徒歩何分以内か」という点は、資産価値を維持する上で特に重要なポイントだ。駅からの近さは、どの世代にも共通して求められる。高齢化率の上昇や、後述する国のコンパクトシティ構想を踏まえても、駅から近い物件は今後ますます有利に働く可能性が高いという。

「エリアにもよりますが、原則、駅から徒歩7分以内の立地で選ぶと、いざというときに売りやすいし、貸しやすい。また車で案内されると見落としがちですが、シニア世代は特に、周辺の道が平らかどうかも確認すべき」(後藤さん)

(2)スーパーや病院が近い

 日常生活に欠かせないスーパーが近くにあること、そして年を重ねるにつれ通う頻度が高まる病院も近くにあると安心だ。車や電車に乗らずとも、近隣で必要なものがそろう環境だと暮らしやすい。周辺に活気がある商店街があることや、人気の学校があること、図書館や公的施設などがあることも資産価値を維持しやすい要素になる。『50代、家のことで困ってます。』などの著書で知られる長谷川高さん(長谷川不動産経済社代表)は言う。

「“子どもや孫の近くに住みたい”“自然豊かな場所がいい”など、個々の住む価値を優先させると、いざというときに売りにくい、貸しにくいことがあります。場所を選ぶときには、資産価値という観点も忘れずに」

(3)立地適正化計画区域に指定されていないか

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