近年続く“現役進学志向”は今年も健在。教育ジャーナリストの神戸悟さんは「現役志向というより、既卒生が残っていないのが実態」と指摘する。18歳人口が年々減少する一方、大学の定員は増えているため、「『東大は譲れない』といった超トップ層を除き、必然的に合格しやすくなる」。
現役志向が続く要因として、推薦枠の拡大もあると神戸さんは続ける。
「東大も京大も、今や推薦で入るルートが用意されていますし、地方の難関国立大でも学校推薦型選抜、総合型選抜を行っていないところはありません。以前より難関大合格へのルートは格段に増えているのです」
こうして現役合格者が増加すると、自ずと既卒生は減る。既卒生が減れば現役生が難関大に合格しやすくなる。この循環が近年続いているという。
では、東大と京大の現役進学率トップ10を見ていこう。東大は10校中9校、京大は10校中8校が中高一貫教育校と、6年制の強みが如実に表れた。中高一貫校では高校2年までに教科書の内容を終えることが多く、受験に特化した演習時間を確保できる。その中で、東大9位の日比谷(東京)、京大2位の北野(大阪)、9位の堀川(京都)ら中高一貫校でない公立勢の大健闘が光る。