格闘界の“中心人物”朝倉未来もスポーツ中継のあり方に言及
格闘界の“中心人物”朝倉未来もスポーツ中継のあり方に言及
この記事の写真をすべて見る

 注目の格闘技イベント「THE MATCH 2022」の地上波テレビ放送見合わせは各方面に多くの波紋を投げかけ、スポーツ中継のあり方まで議論される事態となった。野球、サッカーなどでは既に話題になっている問題。スポーツの「観戦方法」が大きな過渡期にあるのは間違いない。

【写真】格闘家では珍しい?“アンチ”が少ないファイターといえばこちら

 2022年6月19日(日)に東京ドームで開催される「THE MATCH 2022」は、RISE王者・那須川天心とK-1王者・武尊戦をメインに据え、格闘技ファンを中心に大きな盛り上がりを見せていた。しかしテレビ放送を予定していたフジテレビが急遽、見合わせを発表。格闘技界にとって近年、最大級のイベントだっただけに落胆の声が上がった。

「残念以外の言葉が出てこない。放映権料など条件面が合わなかったのか、噂されているコンプライアンスの問題なのか。理由はどうであれ格闘技人気を定着させ市民権を得るための絶好のチャンスを逃した。時代は変わりつつあるが、地上波のテレビ放送がいまだ大きな影響力を持っているのは間違いない」(格闘技関連ライター)

「格闘技などスポーツの視聴方法が課金を含むネット配信に移りつつある。しかし、その形態が完全に定着するまでに今後10年程度のスパンが必要。那須川が『子供のため』と言ったのは間違った発言ではない。今の子供が地上波で興味を持ち、将来的に配信で視聴するようになるのが理想。入口としては地上波放送が絶対に必要」(関東キー局テレビ局関係者)

 地上波での中継が消滅したことについては、「THE MATCH 2022」のメインを務める那須川もインスタグラムで「この試合は沢山の子供達、未来のある人達、より多くの人に観てもらいたい それには地上波しか方法は無い」と格闘技の認知度を広める絶好のチャンスを逃したことに対し、無念さを綴った。

 中継見合わせに関しての那須川の発言に対しては「格闘技をやりたい子供なんて少ない」という批判めいた意見も聞こえるが、競技に興味を持つための入口として地上波の持つ影響力は依然大きい。アスリート自身が身をもって経験しているからこその心の叫びだ。

次のページ
いまだに大きい地上波の影響力