上記の馬たちでは凱旋門賞からローテーションを逆算し、休み明けだったハードウィックSは叩き台と割り切っていた感のあるハリケーンレーンは結果を度外視してもいいが、これなら2020/21シーズンの豪年度代表馬でG1レース11勝を誇る名牝ベリーエレガントに注目したい。オセアニアの名馬の例に漏れず1600メートルから3200メートルまで幅広くG1を制した実績があり、5月にはフランスのF.グラファール厩舎へ移籍するなど陣営の本気度がうかがえる。前売りオッズは17倍から26倍とまだ伏兵扱いだが、欧州初戦の結果次第では一気に主役候補に躍り出るかもしれない。

 ちなみにオセアニア出身馬の凱旋門賞挑戦では、同じように欧州へ転厩したバルメリーノが1977年に歴史的名馬アレッジドの2着に善戦した記録がある。

 日本からの参戦予定馬でそれなりの人気を集めているのは、ドウデュース、シャフリヤール、タイトルホルダーの3頭。武豊騎手の手綱で日本ダービーを制したドウデュースは13倍から21倍で、アダイヤーとほぼ同評価を受けている。

 日本ダービー馬が3歳で凱旋門賞に挑んだ前例では、2013年のキズナ(4着)、16年のマカヒキ(14着)があるが、両馬はいずれも現地の前哨戦である仏G2ニエル賞を勝って本番に進んでいた。それに対してドウデュースは凱旋門賞に直行する予定。この臨戦過程が吉と出るか凶と出るか。

 3月にG1ドバイシーマクラシックを制した昨年の日本ダービー馬シャフリヤールは、ロイヤルアスコット開催での英G1プリンスオブウェールズSで4着に終わって評価を下げ、現在のオッズはおおむね17倍から26倍となった。

 問題のプリンスオブウェールズSでは、逃げ切ったステートオブレストをマークする2番手の好位につけながら直線でベイブリッジにあっさりとかわされ、昨年のジャパンカップでは先着していたフランスの6歳牝馬グランドグローリーとの3着争いにも敗れた。

 陣営はアスコット競馬場への慣れが必要とタフなコースへの適応力を敗因に挙げたが、それを言ってしまえばステートオブレストもベイブリッジもグランドグローリーもアスコットは初参戦だった。スローペースで先行しながら差し込まれた内容からも、評価が下がるのは致し方ないだろう。

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ステイゴールド産駒にも一発の期待