今季限りの阪神・矢野燿大監督
今季限りの阪神・矢野燿大監督
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 プロスポーツの世界で、このチームほど親会社の株主総会が注目される例はない、と言われる阪神タイガース。その親会社、阪急阪神ホールディングスの株主総会が6月15日に開催された。

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 質疑応答になり、早くも2人目の株主から阪神ネタ、それも……何でイカ焼きは甲子園で販売されない……というウケ狙いの“しょっぱさ”で、だからこそ会場は、きたきた、となっていく。

 続く3人目の株主は、こうまくし立てた。

「何で矢野は辞めると言うたんや? あんな自分勝手な人はおらん。予祝の胴上げ? 何や、あれ」

 答えたのは阪神電鉄本社取締役スポーツ・エンタテインメント事業本部長で球団オーナー代行の谷本修氏だった。

「17年ぶりの優勝を目指している中、チームには優勝経験者がいません。新事業をやっているのと同じで、そのプロジェクトを2022年で完結したいという矢野監督の思いを受け止めた。胴上げはオリックスから移籍した糸井と西が一日キャプテンを務める中で提案してくれたこと」

 ベテラン記者は苦笑いしながら、こう語る。

「答えになってません。はぐらかし方が下手で、もっともらしく“プロジェクト”なんて言葉を使うからかえって薄っぺらく聞こえる。谷本さんって、京大出のエリートで真面目なんです」

 実は3人目の株主は、こうも言っていた。

「次(の監督)、誰になるか気になる」

 今季の成績に関わらず監督交代が決まっているからだが、回答はなし。総会後の囲み取材で、再度聞かれた谷本氏は、こう答えたという。

「生え抜き中心のチーム作りをできる人」

「決めるのは谷本さんと言われてますが、この言葉からだけじゃ絞り切れません。ただ、真面目で水面下での動きなんて期待できない谷本さんが決めるのなら意外な答えはないはず……ってことで岡田彰布さんが本命かな」(前出ベテラン記者)

 巷間(こうかん)、落合博満氏の名前も躍るが……。

「阪神はない。中日時代、彼がどれだけ法外な金額を請求してたか、阪神は知ってますから(笑)」(球界関係者)

(渡辺勘郎)

週刊朝日  2022年7月1日号