その他、アンカータイプとしては、21歳の松岡大起(清水)、20歳の川崎颯太(京都)、19歳の田中聡(湘南)とJ1舞台で実績を重ねている若手が多くおり、いずれの選手も将来のA代表定着へ向けて力を試したいところ。インサイドハーフとしては、強いメンタリティに高い将来性を感じる19歳の松木玖生(FC東京)を抜擢する手もあるが、中堅と呼ばれる年齢の選手にも27歳の脇坂泰斗(川崎)、24歳の安部柊斗(FC東京)らの実力者たちがおり、25歳の岩田智輝(横浜FM)はセンターバックも可能な万能型で、高い攻撃性能を持つ25歳の樋口雄太(鹿島)はプレスキッカーとしても期待できる選手。精度の高い左足を持つ28歳の武田将平(京都)も面白い存在だ。
事前情報として、森保一監督は「基本的にはW杯メンバーに入っていく可能性がある選手たち」という条件を掲げながら、「J1でレギュラーとして試合に出ている選手」とともに「U-23アジア杯を戦った選手」からのリストアップを明言。同時にW杯経験のあるベテランの招集を見送る方針(大迫勇也、長友佑都、酒井宏樹らが当てはまる)を示した。
以前から『E-1選手権』の存在意義を問う声が挙がっていることは確かだが、指揮官が言う「未来を考えていくメンバー構成にできれば」との考えには大いに賛同する。その意味で、U-23アジア杯組から、前述した細谷や藤田、松岡、松木に加え、韓国戦で2得点の活躍を見せた鈴木唯人(清水)、大会を通じてファインセーブを連発した鈴木彩艶(浦和)など、多くの若手を抜擢してもらいたい。
今回の『E-1選手権』のメンバーからカタール行きの切符を勝ち取れる選手は現実的に見てごく少数になるだろうが、自身の任期終了後のチームに対してもしっかりと投資できるのは、日本人監督であることのメリットだと言える。もちろん結果は必要だ。その上でW杯本番へ向けての「ストライカー」と「ポスト・遠藤」を探すとともに、是非ともJリーグを盛り上げ、「未来への希望」を感じさせるメンバーを選び、戦ってもらいたい。(文・三和直樹)