奈良間は3年夏の静岡大会で8割を超える打率をマークして注目を集めたショート。甲子園でも3試合でホームランを含む4安打を放ち、蛭間らとともにU18侍ジャパンにも選出されている。立正大でも1年秋からレギュラーとなり活躍。直近の2シーズンは二部でのプレーとなっているが、この春も3割を大きく上回る打率を残した。堅実な守備と小柄ながらパンチ力のある打撃に対する評価は高く、打てるショートとしてリストアップしている球団も多いだろう。
この3人以外の野手では東京六大学で山田に次ぐ現役2位の通算69安打を記録している下山悠介(慶応→慶応大)、同じく東京六大学で二度のベストナインに輝いている斉藤大輝(横浜→法政大)、3年夏の甲子園で2本のホームランを放ち大学でも中軸として活躍している北村恵吾(近江→中央大)なども十分プロ入りを狙える位置につけていると言えそうだ。
一方の投手は野手に比べると候補が少ない印象を受けるが、この春評価を上げてきた選手として山口直哉(済美→京都産業大)を挙げたい。甲子園では2回戦の星稜戦で延長13回を1人で投げ抜くなどフル回転の活躍を見せて、チームの準決勝進出に大きく貢献。大学ではここまでリーグ戦通算1勝にとどまっているものの、この春はリリーフとして150キロ近いスピードをマークするなど、着実な成長を見せている。少し調子の波があるのは課題だが、高校時代と比べて明らかに体つきも大きくなり、ストレートも変化球もレベルアップした。リリーフタイプの本格派として面白い存在となりそうだ。
投手でもう1人にわかに注目を集めているのが漢人友也(常葉大菊川→中京大)だ。常葉大菊川ではエースとして活躍し、2回戦の日南学園戦ではわずか88球で完封勝利をあげている。当時のストレートは130キロ台中盤だったが、大学では着実に成長し、コンスタントに145キロ前後をマーク。大学生にしてはまだ細身だが、岸孝之(楽天)を彷彿とさせるような柔らかい腕の振りが特長で、まだまだ今後の成長に期待できる。早くからの戦力というよりも、数年後の開花を期待して獲得を検討する球団もあるだろう。