■新潟(改選数1)
16年、19年と2度続けて野党が勝利している新潟も激戦区の一つだ。
現職の野党統一候補の立憲・森ゆうこ氏と、自民新顔の小林一大(かずひろ)元県議の事実上の一騎打ちとも見られている。
小林氏には、麻生太郎副総裁や菅義偉前首相が駆けつけている。安倍晋三元首相も入り、「小林さんを国政に送ってほしい。あと一歩です」と支援を訴えた。
その前で小林氏は、
「失われた自民の議席を奪還したい。働かせてください」
とあいさつした。
ある自民県議は、
「勝機があるという裏返しだ。3度も続けて野党に負けられない」
と自信を見せる。
前回の参院選では、共産も含めた野党共闘が進んで候補者が一本化された。今回は調整ができなかった選挙区が多い。数少ない一本化となっているのが新潟だ。
森氏の応援には、新潟県選出の西村智奈美幹事長、小川淳也政調会長ら、こちらも立憲幹部が新潟に入りマイクを握る。
「アベノマスク、今している人います? 世紀の愚策、もっと追及すればよかった」
と国会論戦に定評がある森氏は、自民党批判を展開する。
森氏を支援している、米山隆一衆院議員(新潟5区選出/無所属)によれば、
「世論調査の数字ではわずかに、森氏が勝っているとされてきた。それが公示直前で、小林氏が猛攻をかけてきた。6年前の参院選では、森氏が自民候補に2千票差という僅差(きんさ)で勝利している。今回も、森氏、小林氏のどちらが勝っても千票、2千票程度の差になるだろう。選挙戦が進むにつれ、森氏も野党共闘の効果が出始めている」
と語る。
自民は、昨年10月の衆院選以来、県連がギクシャクしていた。
米山氏に敗れた、元新潟県知事の泉田裕彦衆院議員(比例復活)が、自民の「新潟の首領」と呼ばれた星野伊佐夫県議に対して、
「裏金を要求されたが、出さなかった。その録音もある」
と暴露し、公職選挙法違反容疑で刑事告発し、星野氏の政界引退まで求めた。県連は仕返しとばかりに泉田氏を「常任顧問」から外して無役とした。