現状を見る限り、広島ではすぐに結果を求めるのは難しいかもしれない。しかし数球団が即座に獲得に動いたのは、グラウンド上でのパフォーマンス以外にも秋山に対して求めるものがあるからだ。同じような例として、広島・長野久義、西武・内海哲也のように際立った成績を残さなくても、チームに欠かせない存在になっている選手もいる。将来の幹部候補生として必要な人材になるとも言われている。

「獲得に手を挙げた球団はその辺も十二分に理解していたはず。技術は練習で高められても人格は変えられない。西武、ソフトバンクは秋山の影響力がわかっていた。広島も長野の例がある。今回の秋山争奪戦が過熱したのも理解できる」(西武担当記者)

 獲得に成功した広島は、ここから上位進出するための起爆剤としての役割も望んでいるだろう。しかしそれ以上に中長期スパンでの影響力を重視し、球団のレガシーになってくれるということも同時に期待しているはずだ。仮にグラウンド上で結果を残せなかったとしても不良債権と簡単には判断できない“価値”がある。広島ではグラウンド内外でどのような存在となるのか、新天地で戦う秋山に注目したい。

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