日本維新の会・吉村洋文副代表(左)と松井一郎代表(右)
日本維新の会・吉村洋文副代表(左)と松井一郎代表(右)
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 梅雨空の京都・四条烏丸で、参院選公示を迎えた6月22日午前、京都選挙区から出馬する新人・楠井祐子氏の応援のため、日本維新の会の吉村洋文副代表(大阪府知事)が演説に立った。

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自民党政治は野党や国民をなめている。自民党に対峙できる強いまともな野党が必要です。日本に唯一、改革政党があってもいいじゃないですか」

 と訴えると、大きな拍手が沸いた。この日は、楠井氏を推薦した国民民主党の前原誠司代表代行も演説に参加した。

 維新にとって、京都選挙区は大きな意味を持つ。同じ関西ながら「壁」を越えられなかった京都で、選挙区では初となる議席を獲得すれば「東進」に拍車がかかる。京都は立憲民主党の泉健太代表の地元でもあり、今回の対立候補は5選を目指す同党の福山哲郎前幹事長。「野党第1党」の座を争う立憲との「真っ向勝負」の選挙区でもある(他にも自民党新人の吉井章氏、共産党新人の武山彩子氏、NHK党新人の星野達也氏らが立候補)。詳しくはこちら

 ちょうど同じ時間帯に、東京選挙区から出馬する維新の新顔候補は新宿アルタ前で演説。「出産を保険適用し、さらにクーポン支給で出産費用の実質無償化を進めたい」と、子育て政策を訴えた。

 この候補の第一声には党職員約30人が集結。スタッフのほうが聴衆より多いくらいだったが、演説を聞いた大学1年生の男性(18)は「維新支持者じゃないですが、文通費(現・調査研究広報滞在費)問題に果敢に切り込んだのは一般国民の感覚と近いと思う」。社会人大学院生の女性(37)は「私はリベラルですが、維新の政策は教育無償化、出産にかかる医療の実質無償化実現など、若者に受けるのがわかる気がする」。聴衆の評価はまずまずのようだった。

 今回の参院選の意味について、政界関係者はこう分析する。

「自公の優位が大きくは揺らがなさそうな中、長期的に見て注目されるのは、立憲と維新の『野党第1党』争い。維新は京都と東京を制するかが鍵になり、勝てば全国政党の展望が開ける。立憲は比例で野党第1党を維持できるかが焦点になります」

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