東洋太平洋チャンピオンである堀川は現在、WBC世界ライトフライ級5位にランクされる。対する日本チャンピオン・岩田はさらに上位、WBA2位、WBC2位、WBO3位の3つの世界ランキングを持つ、いま日本で世界に最も近い若手の一人だ。
堀川にせよ岩田にせよ、この試合を制した先に見えるのはいよいよ「世界」の2文字だろう。堀川自身に「勝ったら次は世界戦か」と問うと、こうクールにかわされた。
「世界ランクを持っているという意味では、今でも世界挑戦できる可能性はある。勝ったらもう世界しかない、などとは思いません。まずは次の試合のことしか考えていませんよ。日本でもトップクラスのホープである岩田君と、42歳の自分。プライドをかけてやります。おもしろいカードになると思います」
それでも、プロデビューから22年。堀川がいま、42歳にして真剣に世界を目指せる位置にいるのは紛れもない事実だ。堀川を担当する三迫ジムの加藤健太トレーナーは、こう力をこめた。
「堀川は練習へ向かう態度が素晴らしく、ジムへの感謝もよく口にしてくれる。若手の手本になる選手です。そして、42歳になった今もボクサーとして進歩している。世界を取れる力は十分にあるし、僕としても絶対に取らせたい。次の試合は世界前哨戦のつもりで挑みます」
(編集部・川口穣)
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