それは、もし本人がすでに「疲労の3段階(うつ状態)」になっていると、そう簡単には職場をやめられなくなる、というメカニズムです。
疲れ切った状態では「今の環境を捨てる」という行動も、大変なエネルギーを要します。カウンセリングの現場でも、勤めている会社がブラック企業に近い状態で、本人はそのせいで疲れているのに、当の本人がやめたがらないというケースはとても多いです。
退却するという選択は、元気な状態でないと決断できません。
もし今の時点で、あなたが「2段階職場」にいる場合は、自分自身のエネルギーが本当に枯渇する前に、早め早めに離れる選択を検討しましょう。
すでに自分で決められない状態に陥っていると思う場合は、ぜひまだ健全な方に相談をするようにしてみてください。
コロナ禍の影響もあり、個人レベルでも組織レベルでも疲労が深まり、「2段階職場」も増えていくと予想します。ここで紹介したことを、ぜひ自分自身の心を守るために役立ててほしいと願っています。
(取材・構成/向山奈央子)