「プロジェクトの内容が、今まで片づけについて夫が言ってくれていたことと重なったんです。そのときに、夫は私のことを責めていたのではなくて、アドバイスをくれて応援してくれていたと気づき、申し訳ない気持ちになって涙が止まらなくなってしまいました」
片づけに対する視点が変わり、家の中の問題点が見えてきました。2人の娘の物がそこら中に置かれていたのは、収納スペースが足りていなかったから。逆に長男の収納スペースには余裕があったので、その分を娘たちに割り当てたらきちんと片づくようになったのです。
さらに、毎日洗濯するからハンカチのストックはいらないとわかると、大量に収納されていた玄関もスッキリ。なぜ今まで気づかなかったのかと思うようなことばかりです。
どうしてここに物が置かれてしまうのか、どうしたら片づけられるようになるか、夫や子どもたちとも積極的にコミュニケーションをとり、一緒に考えるようになったら自然と解決策が導き出されました。
プロジェクト終了時には、ソファや床、テーブルに物が散らかっていたリビングは、今では床置きのないスッキリと落ち着いた空間に。洋服やカバンで埋め尽くされていた家族のウォークインクローゼットは、隙間が目立つほど余裕ができました。
変わったのは、家の中だけではありません。リコさんの気持ちにも変化が表れました。片づけができるようになったことで自信を持ち、自分で「できない専業主婦」と思い込んでいた以前よりも、夫と対等な関係性を築けるようになりました。
そして、1番の大きな変化は、リコさんが自分と向き合えるようになったこと。
「私はずっと家族のサポートをすることが専業主婦の務めだと思っていました。でも、それは家族に依存しているようなもの。子どもたちが自立した後の、自分の未来が見えないことがずっと不安だったと気づきました」
家の中が片づくと、家事がスムーズにできるので時間に余裕が生まれます。リコさんは、ゆっくりと自分と向き合う時間が持てるようになりました。