『永続孤独社会 分断か、つながりか?』三浦展さんが、コロナ禍で強まりをみせる孤独、格差、分断なども考察し、消費から見えてくる社会のありようと今後を探る。朝日新書/1012円(税込み)
『永続孤独社会 分断か、つながりか?』三浦展さんが、コロナ禍で強まりをみせる孤独、格差、分断なども考察し、消費から見えてくる社会のありようと今後を探る。朝日新書/1012円(税込み)

 孤独とは、自分が必要とされていないという感覚と、逆に自分が必要だと思うものがないという二つの感覚に起因します。

 自分が愛し、愛されている関係は居心地が良い。行きつけの店の大将の料理が好き、この作家のコーヒーカップがお気に入り、という相互に人格を認め合う感覚がたくさん持てると孤独にならない。

 一方で便利・速い・安いばかりを追求しているところに愛は生まれない。ましてや、なんでもAI化してしまうと人格性が消え、孤独感が高まっていくでしょう。

 僕の仕事は「未来予測」です。個人化し孤独化する時代には、人格性と人が介在する暮らし方をあえて作り出すことが重要だと考えています。それが孤独解消の一助となるでしょう。

(構成/編集部・古田真梨子)

AERA 2022年7月18-25日合併号

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