ゆっくりとした動きで筋肉に力を入れ続ける「スロートレーニング」で、強度を上げる方法もある。「どんなやり方でも、追い込むことが大事。疲れ切って筋肉を総動員させることで、筋肉が強化されます。きつくなったところで、最後に何回か速くするといいでしょう」(同)
セット間の休憩時間は短くするようにいわれていたが、長めの方がいいことも、ごく最近わかってきた。今年3月、石井さんらが発表した研究結果では、インターバルは1分より長い方が効果を見込めるという。
1日15分で痩せ体質に
筋トレの頻度は週2~3回くらいにしよう。上記のメニューを1日で4種目こなすなら、休憩時間も入れて30分間かかる。それが大変なら、1日2種目にすると15分ですむ。例えば1日目はスクワットとニートゥチェスト、2日目はバックエクステンションとプッシュアップ。この場合は週4~6回やる。1カ所だけ徹底的にやるより、他の大きな筋肉も鍛えた方が効果が高くなる可能性があるので、1日に複数種目を行うといい。「終了後は筋肉を10秒か15秒伸ばして、静的なストレッチをすると、疲労が残りにくいといわれています」(同)
どのくらい続けたら効果が出るのか。石井さんは「2週間で体を動かすのが楽になったかなと思うようになります。体重やウエストサイズが変わり始めるまで1カ月はかかります。目に見える効果が出てくるのは3カ月後くらいでしょうか」という。
とはいっても、筋肉のつき方は人それぞれだ。「学術的にも、痩せていて太りにくく筋肉の発達も悪い、筋肉の発達がよくがっしり、脂肪が多めでぽっちゃり。この三つに分かれるといわれています」(同)
(ライター・井上有紀子)
※AERA 2021年8月30日号より抜粋