一杯ずつ丁寧に作られている(筆者撮影)
一杯ずつ丁寧に作られている(筆者撮影)

 この後、「あがら」は日本最大級のラーメンイベント「東京ラーメンショー」に5年連続で出店するなど飛ぶ鳥を落とす勢いで人気店に成長。18年にはお客様投票で第2位(「東京ラーメンショー2018」第一幕)に選ばれた。今や関東で本格的な和歌山ラーメンを食べられる名店として人気を博している。

「ろく月」の湯田さんは、仲間として阪上さんに刺激を受けている。

「一度阪上さんから相談を受け、豚骨の炊き方をお見せしたことがあります。本当に本格的な和歌山ラーメンが食べられる貴重なお店ですよね。奥様との息の合った接客も魅力ですね」(湯田さん)

「あがら」の阪上さんも湯田さんの個性的な部分に惹かれているという。

「湯田さんとは専門学校に通ったときに出会いました。オープンもほぼ同期で大変刺激になっています。湯田さんは人柄もラーメンも個性的で、愛らしいキャラクター。手間暇を惜しまず、自分の納得いくところまで突き詰めた一杯だからこそ、おいしいものができるのだと思います」(阪上さん)

チャーシューやメンマ、ナルト、ネギがトッピングされている(筆者撮影)
チャーシューやメンマ、ナルト、ネギがトッピングされている(筆者撮影)

 おいしくて売れる一杯を作る難しさ。さらにそれを利益に変える難しさ。二人の苦労には、その難しさがにじみ出ている。おいしいラーメンの裏には、たくさんの努力の結晶が潜んでいることがわかる。(ラーメンライター・井手隊長)

○井手隊長(いでたいちょう)/大学3年生からラーメンの食べ歩きを始めて19年。当時からノートに感想を書きため、現在はブログやSNS、ネット番組で情報を発信。イベントMCやコンテストの審査員、コメンテーターとしてメディアにも出演する。AERAオンラインで「ラーメン名店クロニクル」を連載中。Twitterは@idetaicho

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