イラスト・中村純司(AERA7月12日号から)
イラスト・中村純司(AERA7月12日号から)

 敬和学園大がある新潟県新発田市は、雪深い地域だ。雪の影響で休講や試験時間が変更になることが度々あり、それを学生に速やかに連絡できるツイッターは非常に便利だった。担当者の権限で情報発信できるよう、既存のルールの見直しも行った。他大学に先駆けてのツイッター活用は、現在に至るまで様々なメディアに取り上げられ、大学広報につながっている。後に、フェイスブック、インスタグラムも開設。他大学に先駆けてSNSを活用しているだけあって、卒業生のフォロワーが多い。

「東日本大震災の時は、すぐにSNSで卒業生や在校生などからボランティアを募り、震災直後から被災地に入り被災者支援を行いました」(小端さん)

 地方都市の小規模の大学ということもあり、学生と教職員の距離が近い。フェイスブックは、公式のものとは別に、教職員もそれぞれ持っており、積極的に学生たちと「友達」に。在学中はもとより、卒業してからもずっと友達関係が続き、それぞれの活動内容をフェイスブックを通じて知っているので、愛校心の高まりにつながっている。

 新潟県に住んでいても、新潟県や大学がある新発田についてよく知らない学生がほとんど。しかし、SNS発信を通じて学生たちが新潟や新発田の文化・歴史を調べ、「知る」ことで関心が高まり、深掘りをしていく、結果的にアイデンティティーを確立できればいいと、一戸教授らは期待している。(ライター・羽根田真智)

※AERA 2021年7月12日号より抜粋