主要機器は廃車された300型高床式単車からの転用だが、当該の321号は1909年製の木造車からの鋼体化改造車だった経緯があり、開業時からの血筋が継承されている。台車は軸距2438mmのブリル21E型高床式単台車を流用。自重8.6トン、定員37(28)名で、エアーブレーキを装備している。
運行当初は伊野線(はりまや橋~鏡川橋)、桟橋線、後免線で営業運行され、通常運賃で乗車できる復刻車として人気を集めた。後年、週末などに限定の行路で運転された。現在はイベント用になり、グループによる貸切運転にも対応している。
最後のカットが、BS番組ロケ用の「貸切」運行で後免線(はりまや橋~後免町)を走る「維新號」。沿線の鎮守「鹿児(かこ)神社」の杜を背景にした典雅な一コマ。左端には土佐電開業前の1880年に建立された土佐狛犬が写っている。
■撮影:2012年5月24日
※AERAオンライン限定記事