プロスポーツ界には大学出身の選手が多数在籍している。『大学ランキング』(朝日新聞出版)では、スポーツ選手の出身大学を1994年から毎年調査しているが、プロ野球、サッカー選手ランキングで、調査開始以来初めて、明治大がダブル1位になった。なぜ近年、明治大から優れたアスリートが育っているのか。大学関係者に聞き、秘密を探った。
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表は、2020年のプロ野球、サッカー(Jリーグ)選手の出身大学を集計したものだ(朝日新聞出版『大学ランキング2022』から)。
プロ野球ランキングの上位は、六大学野球、東都大学野球の加盟大学が目立つ。順にみていこう。
1位の明治大はOBが大活躍中だ。森下暢仁(広島)は20年の新人王を獲得。佐野恵太(DeNA)も同年のセ・リーグ首位打者賞を受賞した。横浜高校時代から将来を嘱望されていた柳裕也(中日)も活躍している。昨年のドラフトでは入江大生がDeNAに1位指名されて入団し、期待がかかっている。
2位は亜細亜大。前年の調査では明治大と同数で1位だった。今年のプロ野球開幕前に1軍に復帰した山崎康晃(DeNA)が注目されている。
3位は早稲田大。18年調査では1位だった。代表的な選手は早川隆久(楽天)など。東洋大(4位)は、19年卒の梅津晃大(中日)、上茶谷大河(DeNA)、甲斐野央(ソフトバンク)が同期かつ全員ピッチャーで入団したことが話題になった。
次に、Jリーグだ。上位は関東大学サッカーリーグの面々が並ぶ。
こちらも1位は明治大。長友佑都の母校だ。20年、同大サッカー部からは12人のメンバーがJリーグのチームに内定した。同年の4年生は15人。そのほとんどがプロ入りするというのは、大学サッカーでも異例のことだ。
2位の流通経済大は、これまでの編集部調査で例年1位を保持しつづけていた。サッカー部は部員数200人を超える大所帯で、強豪・流通経済大学付属柏高校から優秀な人材が進学してくることも大きい。ポルトガルでプレーする日本代表・守田英正の出身大学だ。
筑波大(5位)は三笘薫、順天堂大(13位)は旗手怜央の母校。いずれもいま破竹の勢いの川崎フロンターレで活躍している。