7月も本塁打量産の雰囲気を漂わせる大山悠輔
7月も本塁打量産の雰囲気を漂わせる大山悠輔

 さらなる量産体制に向け、心強い存在が5番の坂本勇人だ。6月9日の交流戦・西武戦から復帰し、7月に入って調子を上げている。相手バッテリーからすれば4番・岡本との勝負を避けられない。ただ、坂本は今月6日のヤクルト戦で途中交代している。体に何らかのアクシデントがあったとみられ、戦線離脱の事態にならないことを願うばかりだ。

 村上がタイトル争いで独走し、岡本が追いかける中、不気味な存在が阪神大山悠輔だ。打率.248、19本塁打、61打点と3部門すべてで岡本の数字に近い。春先は状態が上がってこなかったが、6月は月間打率.318、10本塁打、29打点と爆発。6月3日の日本ハム戦では1試合3本のアーチを放ち、6点差をひっくり返す逆転勝利に貢献した。今月3日の中日戦でも2回無死一塁から柳裕也の143キロを振り抜き、バックスクリーン右に運ぶ先制2ランで通算100号をマーク。7月も本塁打量産の雰囲気を漂わせる。

 スポーツ紙遊軍記者は「岡本より大山の方が怖いですね」と話す。

 「大山は内角打ちの技術が天才的にうまい。以前から非凡な打撃センスを見せていましたが、今年は本塁打を打つコツをつかんだように感じる。普通の打者だったらファウルになる厳しい球も体をうまく回転させて左翼席に放り込む。村上には及ばなかったですが、6月の23試合で10本塁打放つなど、ツボに入ったら止められなくなる。爆発力がある選手なのでタイトル争いのダークホースになると思います」

 4番の活躍はチームの命運を大きく左右する。三冠王の期待がかかる村上に対し、岡本、大山がどこまで差を縮めることができるか。ペナントレースの行方と共に、白熱するタイトル争いも大きな見所だ。(梅宮昌宗)