5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
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case.27
子ども2人+犬3匹/カメラマン、事務職
何事もうまくいかないと言っている人ほど、頭で悩むだけで行動に移せていないように思います。とりあえず何かやってみるということは、現状を変える第一歩。何をしたらいいかわからないという場合は、片づけをしてみませんか?
家の空間や頭の中を占拠している物がなくなると、せき止められていた川が流れるようによい方向に動くことがあります。
今回ご紹介するあけみさんも、そんな体験をした1人です。
「きちんと片づけができる元夫と離婚したのと同時期に、スタジオカメラマンの仕事を法人化しました。とにかくやることが多くて、片づけまで手がまわらなかったです。家の中はどんどん汚くなっていきました」
以前の家の様子をこう語るあけみさんは、2人の子どもとペットの犬3匹と一緒に暮らしています。子どもたちは寮生活を送り、帰ってくるのは週末だけなので、平日はカメラマンと事務職の2つの仕事をこなしながら、ほぼ1人暮らしのような生活。
あけみさんが物の多さに困っていたのは、自宅だけではありません。自宅からすぐの場所にある仕事場のフォトスタジオには、撮影用の洋服や小物、装飾品などがたくさん保管されていました。「あけみさんの所にはなんでもある」とお客さんからも評判で、撮影に使えそうな小物などを見つけるとすぐ買ってしまう。その結果、スタジオは荷物だらけになり、入りきらない物を自宅に持ち込むほどになってしまっていたのです。