家から出た廃品の数々。これでもまだ一部
家から出た廃品の数々。これでもまだ一部

「捨てきりました」とさっぱりと言うように、最終的に業者に頼んだ廃品の量は、なんと2トントラック3台分と軽トラック2台分!

 アイデアと行動力もあるあけみさんは、捨てるだけではなく、スタジオに洋服や小物をびっしりと並べてフリマを開催しました。SNSでお客さんに告知をすると、当日は大盛況。

 しかし、あまりにも捨てるあけみさんを見て、家族は少しとまどったそうです。

 「子どもたちは自室で勉強をしないので、ずっと置いてあるだけだった勉強机を捨てたらビックリしていましたね。娘には事前に連絡をしましたが、息子には週末に帰ってくるまで言わなかったので(笑)」

 それでも文句は言わずに片づけを応援してくれた子どもたち。今では、きれいになった家で過ごす週末が快適なようです。

 また、スタジオのアシスタントは「ちょっと待って!」と止めに入ったほど、あけみさんが悩まずにどんどん物を手放していく様子に驚きました。それでも気にせずに捨てたり売ったりしていると、途中からあきらめモードに。

 アシスタントが心配になるほど物を捨てるとお仕事への影響が気になりますが、「いい意味で仕事が減った」と言います。

 以前はお客さんからの連絡を24時間いつでも受けて、撮影のいろいろな要求にも無理に応じていました。仕事の数は多かったけれど、イレギュラーな作業も多くて時間を取られるばかり。

「それを今は『17時以降、消えます!』とお客さんに宣言して仕事を打ち切り、撮影にも今ある備品だけで対応するようにしたら、自分にも時間にも余裕を持って仕事ができるようになりました。仕事の質が上がった気がします」

ごちゃごちゃしていた棚の中はほぼ空っぽに
ごちゃごちゃしていた棚の中はほぼ空っぽに

 こうして余裕ができた時間を使い、今後の仕事のための勉強を始めました。

「カメラだけじゃなくて、ビデオを使って動画の仕事も始めたいなと思って。あと、ゆくゆくは撮影技術などを教える側になりたいので、私がカメラを始めた頃の師匠のところで学び直させてもらうことにしました」

 あまり感情を表に出さないタイプだというあけみさん。でも、「やりたい」と思ったことはノートに書き出し、ほとんどのことを叶えてきたという熱い頑張り屋さんでもあります。

 私はいつも「結局、やるのは自分だよ」と言いながら、プロジェクトのテーマの1つでもある主体性を伝えていますが、あけみさんはそれを全身で受け取ってくれました。今後も、持ち前の行動力で次々と夢を叶えていくと信じています。

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