植物好きに大人気のショップが、神奈川県川崎市にある「SOLSO FARM(ソルソ ファーム)」だ。大きな丘を切り開いて作られたファーム兼店舗は、「植物のテーマパーク」と呼ばれるほど多種多様に揃っている。
週末だけオープンする店内を取締役の中嶋有さん(40)が案内してくれた。「室内の植物」「屋外の植物」「多肉・サボテン」などエリアが様々分かれているが、一番人気は、ハーブや柑橘、ブルーベリーなどの食べられる植物のエリアだという。
「コロナ以降、鉢と土と植物をそれぞれ購入して『自分で植えてみたい』という方が増えました」
育てるコツは「観察力」
庭木ではユーカリやブルーブッシュ、バンクシアなどオージー系と呼ばれるオーストラリア産の植物、室内では上から吊り下げるランなどのハンギングプランツなども人気だという。
植物を育てるコツは「観察力の一言につきます」と中嶋さん。
一方、20年以上の植物歴を誇るのは、ファッションブランド「トゥモローランド」でPRを担当する杉山耕平さん(38)。3世帯で住んでいるという自宅の庭は、まるで杉山さんの基地だ。
太陽の当たり具合で種類別に置き場が分けられ、所狭しと並べられている。春になれば植え替えで忙しく、土日には朝8時から昼も食べずに2時、3時まで作業するのだという。
「土や葉っぱに触れていると、体の中の悪いものが抜けていく感じがします」
アローディアの挿し木、アジサイの葉挿しなど、育てて増やすのが好きという杉山さんの植物たちは、「これの子どもがこの子で、これの子どもがこっち」と親子のペアも多い。増やした株は、ギフトとして人にあげることもある。
植物は親友や家族以上
子どもの頃から祖父母の家には温室があり、様々な植物に触れ、ハムスターや犬などの生き物も飼ってきた。庭に地植えしたアガベやユッカは15年以上育てあげ、数十センチだったものが数メートルの大きさになった。
「親友や家族みたいなものですか?」と陳腐な質問をすると、
「何かもっと偉大な、自然そのもの。“育てさせていただいている”という感じです」