家でじっとしているだけなのに、何だか心が疲れてくる。外出さえままならないコロナ禍でそんな人が増えたかもしれない。でも、生活の主役が「植物」になったら、きっと何かが変わる。AERA 2020年8月10日-17日合併号では、お笑い芸人、アパレルマネージャー、漫画家らがそれぞれの植物愛を語った。
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お笑い芸人の成田デシリットルさん(41)の自宅に足を踏み入れると、そこはまるで「6畳植物園」。
ハシラサボテン、ネオレゲリア、リプサリス、コンシンネレインボー、シュガーバイン、サンスベリア、ゴムノキ、モンステラ、ベンジャミンバロック、ゼラニウム、トックリラン、エバーフレッシュ、テーブルヤシ、パキラ、ガジュマル、グリーンネックレス、オリヅルラン、アジアンタム、ポトス、チランジア、スパニッシュモス、バンダ、リンドレイ──。
観葉植物としてお馴染みのものから、最近流行(はや)りのエアープランツや塊根(かいこん)植物、自分で作るドライフラワーまで、出窓のみならず部屋を埋め尽くす。
生活リズムが変わった
きっかけは、2年前に引っ越した先のワンルームにあった出窓だった。
日当たりがよく、植物でも置いてみようかな、と生花店の店先で安く売られていた多肉植物を買った。ネットで育て方を調べるうちに興味が出て、100円ショップなどで買っては増えていったという。3カ月ほどで部屋に場所がなくなり、現在の状態に。
「たまに誰かくると引かれますね。大丈夫?って、心配されます」
と言うが、植物との共同生活で、むしろ規則正しい暮らしになった。定期的に水やりをし、空気を入れ替え、飲み歩いたりせず家で過ごす時間も増えた。
今のお気に入りは、板付けのコウモリラン。板と水苔(みずごけ)を用意し、麻紐で巻いて着生させた。
怒濤の勢いで植物を買い集めた時期は、しんどい仕事をしていた時期と重なっていた、と振り返る成田さん。追い詰められるような仕事の日々の中、「帰ったら新しい鉢を買いに行こう」と、楽しみにしていたのだという。
植物の「癒やし」効果は説明するまでもないだろう。新型コロナウイルスの影響で「おうち時間」が増え、育て始める人も増えている。