α6400発売時に「ロックオンAF」が「トラッキングAF」に変更された。どちらも、AF-C(コンティニュアス)でシャッターボタンを半押ししたとき、選択中のAFエリアで捕捉した被写体を追従し続ける機能だ。被写体が移動し、AFエリアから外れても追従し続けるのは変わらないが、トラッキングAFでは機械学習を含むAIの技術を使い、被写体追従の精度と安定性を向上させている。顔認識や瞳認識との連動も可能になった。

 使用するには、まずAF-Cに設定したうえで、フォーカスエリアの選択画面でトラッキングを選ぶ。トラッキングでもさらにフォーカスエリアの広さが選べ、動きが不規則な被写体ならワイドやゾーンなど広めのもの、被写体の位置や進行方向がわかっているシーンではフレキシブルスポットなどで画面の任意の位置に移動し被写体を指定するほうがいいだろう。どのトラッキングのAFエリアを選んでもシャッターボタンを半押しで被写体を捕捉した瞬間からトラッキングAFフレームに切り替わり追尾し続ける。被写体のフォルムや構図のバランスのよい瞬間にシャッターを切る撮影方法だ。

 慣れてきたら、通常のAFエリアの設定のまま、カメラボディーやレンズ鏡筒のFnボタンに「押す間トラッキング」を割り当てるのがお勧めだ。トラッキングはピントが合って初めて開始される。通常のAFエリアとAF-Cで狙った被写体にピントを合わせてからFnボタンでトラッキングを始動すれば、捕捉のやり直しも容易なのだ。通常のAFモードとの使いわけも簡単だ。

「押す間トラッキング」を割り当ててみよう(撮影/宇佐見健)

 さらに、シャッターボタン半押しをAFボタンに割あてるいわゆる親指AFとの併用なども可能である。

シグマ150-600mm F5-6.3 DG OS HSMを、マウントコンバーターMC-11を介してα9 IIに装着。使用可を示すLEDの点灯とトラッキングAFの作動を確認できた(撮影/宇佐見健)

■ミラーレスで断トツのα9/α9 IIの動体連写

 魅力的な超望遠レンズが増えてきたソニーEマウント用レンズ。今回は400ミリや、それに2倍のテレコンをつけ800ミリにした状態でも積極的に使ったが、α9 IIの最大の武器ともいえるブラックアウトフリーのEVFもあり、被写体の追従性能はミラーレスと感じさせないほど楽だった。

ヨンニッパに2倍テレコンバーターを装着した超望遠800ミリで米軍のF-16戦闘機が行う格段に高速で派手な機動のデモフライトをミラーレス機の連写で追い切れるのは、AF精度もさることながらブラックアウトフリーEVFの効果が大きい●α9 II・FE 400ミリメートル F2.8 GM OSS・2X Teleconverter・AE(絞りf8.0・2500分の1秒・プラス0.7補正)・ISO800・AWB・JPEG(撮影/宇佐見健)
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