
なお、今回の撮影は全て手持ちで一脚すら使用していない。超望遠の手持ち撮影ではフレーミングを安定させるのもなかなか難しい。しかし、トラッキングAFが優秀になったことで多くの場面でピントにあまり気を取られずフレーミングとシャッタータイミングに集中しやすくなった。
もちろんトラッキングAFが完璧というわけではない。被写体の種類や速度、背景に入り込む要素などでは途中で被写体以外にAF枠が乗り移ってしまうこともある。それでも旧来のロックオンAFだった頃と比べれば、そういったことも大幅に減ったと感じた。また航空機や鳥などでは、距離が離れて画面内で被写体がかなり小さくなってもAFの食いつきがよくなったことは実感できて頼もしさが増している。
写真・解説=宇佐見健
※『アサヒカメラ』2019年12月号より抜粋