
ソニーフルサイズミラーレス一眼の高速連写モデルα9 IIが11月1日に発売された。11月号でも報じたとおり、センサーと映像エンジンは初代α9と共通。外装と一部操作系レイアウトや部材、シャッターユニットはα7R IVに寄せたリニューアルが施され、防塵・防滴も強化された。
【トラッキングAFはピンポイントのAFフレームに被写体を捉え続けるのが困難なシーンでも強い味方。作例はこちら!】
メカシャッターで約10コマ/秒の連写が可能になり、メモリーカードスロットは二つともUHS-II対応の高速タイプに変更されている。フリッカーへの対応や無線/有線LAN通信の高速化、ボディー内5軸手ブレ補正もα9より補正効果を0.5段向上して5.5段分とするなどスペックアップしている。
これらはスポーツ・報道のプロカメラマンからの要望を反映したもので、今年新発売されたEマウントの超望遠レンズ群を見ても、来年の東京五輪をはじめ、この分野でのシェア獲得への意気込みが感じられる。通信機能も向上している。タイムリーな画像配信が求められる通信社系の機材としては不可欠なのだ。
一方、9月24日には継続販売されるα9用に新ファームウェアが公開され、“リアルタイム瞳AFの動物対応”や“インターバル撮影機能”のほかいくつかの機能が追加され、α9 IIと静止画時のAF機能は同等になった。電子シャッターによる最高約20コマ/秒の連続撮影性能については互角で、基本的に撮れる写真に画質の差はないことになるが、α9は若干販売価格が下がり入手しやすい。
α9 IIに搭載されたリアルタイムトラッキングと名づけられたAIを使った被写体認識追尾AFはまず今年2月に発売されたα6400で搭載され、α9は3月のファームウェアのアップデートで対応。その後に発売されたα7R IVやα6100/6600でも搭載されている。α9 IIでも、機能としてはα9と変わらないが、ボタンの形状などの変更により確実に使いやすくなっている。