『アサヒカメラ』2019年12月号では「動物写真の世界へようこそ」と題し、動物写真の撮り方を75ページにわたって大特集!「シーンごとの最適なカメラやレンズ構成」「絞りやシャッター速度、ピントの合わせ方」といった初心者向けの基本のテクニックから、「背景の扱い方や画面の切り取り方」そして「動物と対峙する姿勢やマナー」までを、第一線の動物写真家たちが教えてくれました。
前回の記事「04 スペシャリストが教える ペット撮影テクニック【犬編】」に続き、今回は犬や猫など、大切な家族の姿を写真にとどめておきたいと考える方のために、「活発に動きまわるペットをじっとさせるコツ」から「流し撮りのテクニック」までを、その道のプロ、小川晃代さんが段階を追って具体的に伝授してくれます。
■スペシャリスト・小川晃代さんに聞いた、犬猫撮影のレンズ選び
小川:70~200ミリを主に屋外で使います。お花畑だったり走ったり動き回るシーンを撮影するときですね。24~70ミリは遊びながら撮影するときに便利です。片手で持ちますし、自分の腕の長さと犬や猫との距離感もあるので、あまり最短撮影距離が長いものだと相手に手が届かなくなってしまいます。それが24~70ミリくらいのレンズだとちょうどいいですね。
35ミリは室内でより効果を発揮すると思います。家の中だとどうしても粗が写り込んだりしますが、開放F値が1.4などの明るいレンズだとこの点、うまくぼかせてカバーがききますね。また、室内では暗くなりがちですが、シャッター速度を稼ぐためにも、35ミリの単焦点の明るいレンズは私には使いやすいです。ふだん家の中で使うには35~50ミリぐらいの単焦点レンズが使いやすいと思います。
■猫の習性を利用してチャンスをつくる
犬にくらべて猫は動きのコントロールが難しい。
習性を観察しながらチャンスを増やしていく。
<箱に入ったところをねらう>
小川:猫は狭いところに入りたがる習性があるので、箱を置いておくと撮りやすいです。構図を決めるチャンスなので、さまざまな角度や寄り引きをさがし、取り組んでみてください。色と構図の練習にもよいです。