外食をするとき、会食のときは私は好き嫌いがないので、相手の選択にまかせている。そして店に行ってメニューを見て、毎日鶏肉は食べているのでそれは避け、最近は豚肉を食べていないから、メインは豚か牛にしようとか、いつも火を通した野菜ばかりなので、生野菜のサラダにしようとか、自分が食べていないものを選ぶようにしている。大まかに栄養バランスを取っているつもりである。しかし朝食はクリームパンとコーラ、昼はコンビニのおにぎりと野菜ジュース、夜はラーメンとスナック菓子とビール。外食ではいつもハンバーグといった食生活の人もいる。「大丈夫?」と聞きたくなるものの、お節介と思われるのはいやなので、相手に食生活の相談をされるまで黙っている。

 自分で御飯を作るといいところは、基本的に米と味噌さえ家にあれば大丈夫という、気持ちの根っこができるからである。少量ならば食生活のアクセントとしていいだろうが、わざわざ非常用にとカップ麺を買い込む必要もない。水、米、味噌、カセットコンロと鍋さえあれば、災害で家が倒壊しない限り、最低限の食生活は保てる。そういう技術ともいえないような、簡単なことすらしようとしないから、あたふたとするのである。食という生きるのにいちばん大切なことは、たまには人任せにするのもいいけれど、基本は自分がちゃんと握っていないと、あるとき、どかんとしっぺ返しが来るような気がしている。

※『一冊の本』2018年11月号掲載

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