東京や大阪、各自治体で、困窮者に米の給付をするとニュースで観たばかり。
東京都は住民税非課税の約170万世帯を対象に、1世帯当たり25キロ(1万円相当)の米を配る「東京おこめクーポン事業」を来年からはじめる。大阪府は、所得制限を設けず18歳以下の子どもたち約130万人に対し1人当たり10キロ配るとか。財源には国の地方創生臨時交付金を充てる。これから、ほかの自治体でもこのような動きはつづくだろう。
今、日本で、ギリギリの生活を強いられている無貯金世帯は、4世帯に1世帯。東京の住民税非課税世帯約170万世帯とほぼ割合は一緒だ。
困窮者には米の給付で濁し、高額な武器などを買う。日本は、ここに来て独裁国家の北朝鮮の真似をするのか?
どこを目指しているのか? 政治が守る対象は、真っ先に、困ってる人や弱い人であるべきだ。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2022年12月23日号