■気軽にはじめ、日常楽しむ 抹茶のおもてなし
お抹茶を身近に感じるきっかけを与えてくれたのは、以前友人から頂いた抹茶のスターターキット「はじめの一保堂」です。一番のポイントは、はじめに茶こしを使って、抹茶を漉しながら茶碗に入れること。このひと手間が、香りをふわっと立ち上がらせ、混ざりやすくするそうです。あとは10~15秒素早く、大きく手を動かして混ぜます。器も自由に、小さな湯呑みやコーヒーカップに注いで、日常気軽に楽しむこともおすすめだそうです。眩しいほどの鮮やかなグリーン、ほんわりとした泡立ちを眺めているだけでとろりと幸せな気分になってきます。まろやかな甘み、旨み、渋みは、チョコレートやチーズケーキなど洋菓子との相性も良く、おやつの時間が数倍楽しくなるのです。
■新緑の季節香り、口福を感じる木の芽琥珀
御薗橋のほど近く、北区西賀茂の住宅街の中に近所の方にも親しまれている和菓子店「霜月」(そうげつ)があります。芽吹いたばかりの木の芽(山椒の葉)と、磨り潰した山椒の実の優しい風味が合わさり、食感と風味が口福を感じる琥珀。外はしゃりっと、中は寒天のほろっとした柔らかさ。磨りガラスの細い角材を切り取ったような姿は、多くの茶人の心を掴んで離さないほどです。京の四季折々を綴った手紙のような和菓子を、心を込めて作り続けてきたという店主の水田さん。柚子、花紫蘇など季節ごとに優しく彩りを伝えてくれる琥珀は、親しみ深い手書きの文字が添えられ、遠くに暮らす誰かへ季節ごとに届けたくなります。
■敷く、包む、書く。あらゆる場面で使ってみたい 種類豊かな懐紙
堀川通り沿いのレトロ建築から岡崎へと店舗を移転されて間もない懐紙専門店「辻徳」へ。シンプルな正統派の懐紙や季節ごとに愛らしい模様が描かれたものまで豊富な種類が揃えられ、ワクワクとしながら選びます。紙好きな私にとって、特に型押しや型抜きが施された懐紙はとても魅力的に感じ、思わず手にとってしまいます。紙を透かしてみた時に模様がほんのりと浮かび上がる漉入れ懐紙は、色のついた紙と組み合わせて使うことで淡い色が引き立ち、お茶の場面に一層華やぎを与えてくれます。茶菓子などを敷く以外に、便箋として使ったり、折り畳んで箸袋やポチ袋として使ったりと、用途は工夫次第で広がっていきます。