■恋愛の裏側にあった、支配欲

 これは仕事上では非常に役に立つのですが、なぜか交際する男性に限っては、踏み込み過ぎて裏目に出がちです。つまりそんなところを掘ると恋愛関係を平和裡に運営していくのは困難になるのです。恋ってカウンセリングじゃないですし、誰しもそっとしておいてほしいことはありますからね。私が「あなたを縛っているものはなんなの? 自由になりたいとは思わないの? 目を覚ませ!」などと叫んだら、先方としては「ありのままを受け入れて欲しいのに」と一人雪山にでも籠りたくなるでしょう。

 そんな余計なことをする私の動機は、一義的には相手を知りたいからなのですが、裏に隠されているのは支配欲だと思います。相手を苦しみから解放してあげる救世主気取りなんですね。頼まれてもいないのに駆けつけてドアを蹴破ろうとするのですから、相手にとったら単なる不法侵入です。

 どうも私には、人の屈折を見てみたいという強い欲求があるようです。更に言えば、その人が変わるところを見てみたいのです。ですから、ぱっと見はごく普通なんだけど、注意して見るとそこはかとない狂気や闇の気配が感じられる人が気になってしまいます。となると惹かれる相手は、見る人が見たら「そいつはやめておけー」というめんどくさい案件にならざるを得ません。

 そもそも最初の恋愛がいけませんでした。大学に入って最初に付き合ったのは失恋したばかりの男性で、その元恋人というのが私が通っていた女子校の先輩で伝説の美少女と言われた人でした。そんな伝説の美少女の後釜に座れたことが嬉しくて、毎日毎日、彼の失恋話に付き合ったんですね。今なら「セラピーかよ」と思うようなデートでしたが、何しろ私は初めての恋愛でしたから、彼の元彼女への未練タラタラの繰り言に付き合いながら「うわ、受話器から男の人の声がする」「うわ、隣に男の人が座ってる」とかいちいちメタ視点で新鮮味を感じていたのです。

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