新製品や開発発表の話題が盛りだくさんだった。写真はニコンのブースにて(写真/猪狩友則)
新製品や開発発表の話題が盛りだくさんだった。写真はニコンのブースにて(写真/猪狩友則)
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 世界最大のカメラの展示会であるフォトキナがドイツ・ケルンで9月26~29日の4日間開催された。今年は新製品や開発発表の話題が盛りだくさんだった。「アサヒカメラ」11月号から現地リポートをお届けする。

【キヤノン、ニコン、富士フイルムなど各社の取り組みはこちら】

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 フォトキナ2018が開催された。1日券は56ユーロ、4日間の通し券でも141ユーロとやや高価なイベントだが、大勢の人が来場していた。規模は大きく複数のホールを使って行われるが、年々縮小傾向にある。しかし、さすがフォトキナというべきか、各社新製品を用意してきた。

 ニコンとキヤノンは、すでに発表しているフルサイズミラーレスを展示。多くの人が長い時間触り、熱心に説明員の話を聞いていた。

 一方で、会場で発表された製品も多い。フォトキナ2018の一般公開は9月26日からだが、その前日の25 日には報道関係者向けに、いくつかのメーカーが発表会・説明会を開催している。そこで発表されたのが、ライカとパナソニック、シグマによる“Lマウントアライアンス”で、ライカSLで採用されるLマウントのカメラやレンズをこの3社から発売していくというものだ。

 また富士フイルムは、中判デジタルカメラのGFX50Rや対応レンズに加え、新たに1億200万画素のGFXの開発を発表している。

【パナソニック】発表会ではLマウントアライアンスのほか、LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7を発表。これ一本で5本の大口径単焦点レンズの価値があるとプレゼンテーションで語られた(写真/猪狩友則)
【パナソニック】発表会ではLマウントアライアンスのほか、LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7を発表。これ一本で5本の大口径単焦点レンズの価値があるとプレゼンテーションで語られた(写真/猪狩友則)

■フォトキナに合わせた新製品の開発・発表

 もちろんすべてのメーカーが発表会を開くわけではないが、だからといって新製品を出さないわけでもない。日本の展示会同様に新製品であることを示す札が付けられ展示されていることも多いが、ひっそりと置かれていたり、一部の関係者のみに見せるといったこともある。

 日本国内での販売は未定ながら今回日本から訪れている人の中で話題になったのが、ゼニットMだ。ライカM(Typ240)をベースにしたカメラだ。

 規模の違いはあっても各ブースの内容は、日本のそれとさほど大きく変わらない。製品のタッチ&トライコーナー、ケースに入った新製品、技術展示、セミナーの開催、写真の展示、最近増えてきたカメラやレンズの清掃コーナーだったり、プロサービス登録者向けの部屋を用意していたりするメーカーもある。

 製品に加えて写真の展示も多いが、新しい試みだったのがオリンパスによるホール1全体を使った撮影体験コーナーで、多くの人が撮影を楽しんでいた。

 例年6日間開催されるフォトキナだが、今年は4日間に短縮されている。さらに2年に1度の開催は今年まで。来年からは毎年5月に開催される。早々に来年の出展を決めたメーカーもある一方で、まだ悩んでいるというメーカーや来年は出展しないが再来年は出展する、日本メーカーでも日本法人の関与を減らして出展するメーカーなど、対応はさまざま。特に日本のメーカーは、例年横浜で2、3月に開催されるCP+との時期も近く、新製品の発表をどこに当てるのか悩ましいようだ。


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キヤノン、ニコンなど各社の展開は?