7位仙台大の3人は、いずれもスケルトンの選手だ。同大学は長年この競技に力を入れており、オリンピックに複数の選手を送り出した。法政大の3人はアイスホッケー女子だ。大学がどれだけ力を入れている競技かが読みとれる。
関西大の1人は、フィギュアスケート女子の宮原知子。関西大中等部、高等部出身。現在は文学部の学生だ。高校生のころ、世界選手権2位となっており、メダル獲得に期待がかかる。かつて関西大は、フィギアスケート男子で高橋大輔、織田信成などのスターを生んだが、平昌ではライバル中京大に差をつけられたようだ。
一方、国立大学出身選手もがんばっている。
スピードスケート女子の小平奈緒は信州大教育学部で学んだ。昨年のワールドカップで、1000mの世界新記録をマークした。国立大学出身の金メダリストが十分に期待できる。スピードスケート男子の一戸誠太郎は信州大教育学部の4年生だ。
日本最北端の国立大学、北見工業大からは、カーリングで平田洸介、鈴木夕湖が選ばれた。同大の高橋信夫・学長がこうエールを送る。
「支えてくれた家族や友人をはじめ応援してくれる人たちへの最大の感謝の表現として、オリンピックの大舞台で全ての力を出し尽くせるよう、更なる高みを目指して頑張ってください」(北見工業大のウェブサイト)
北海道教育大からはアイスホッケー女子の竹内愛奈、金沢大からはカーリング男子の両角友佑が出場する。
平昌オリンピック代表選手の出身校を見ると、ウィンタースポーツが盛んな地域の大学(北海道、東北、甲信越など)というよりも、特定の競技種目でアスリート養成に力を入れている大学が目立っている。
こういうところからも大学の教育方針や経営戦略が読みとれて、なかなかおもしろい。(教育ジャーナリスト・小林哲夫)