法務省は12日、2017年の司法試験合格者を発表した。合格者は1543人だったが、法科大学院からの合格率はわずか22.51%にとどまった。法科大学院の“重傷”、いや“重体”が続いている。
大学院別でみると、合格者数の上位は慶応大(144人)、東京大(134人)、中央大(119人)。合格率の上位は、京都大(50%)、一橋大(49.59%)、東京大(49.45%)だ。
一方、大学入試で難関、人気といわれているところの法科大学院であっても、その実績はかなり厳しい。以下は、合格率10%台の大学である(受験者数、合格者数、合格率の順)。
筑波大 72人、11人、15.28%
上智大 138人、16人、11.59%
明治大 257人、30人、11.67%
九州大 88人、17人、19.32%
関西大 104人、12人、11.54%
関西学院大 98人、18人、18.37%
同志社大 112人、20人、17.86%
立命館大 174人、21人、12.07%
次の6校は近年、志願者(学部)を増やした大学や地域を代表する大学だが、合格者、合格率ともに1ケタで、危険水域を超えている。
青山学院大 42人、2人 4.76%
法政大 107人、8人、7.48%
立教大 105人、9人、8.57%
新潟大 25人、1人、 4%
南山大 48人、4人、8.33%
広島大 50人、3人、6%
今年になって急に悪くなったわけではない。2016年の合格率は法科大学院全体で20.68%と、さらに悲惨だった。ここ数年、多くの法科大学院は10%台をうろうろしている。
もっとも、合格率が低い法科大学院だけを責めるのは酷である。そもそも法科大学院による法曹養成制度が十分に機能していないのだ。悲しいかな、法科大学院そのものに人気がない。
法科大学院制度がスタートして2年目の2005年は、法科大学院志願者数が4万1756人、入学者数は5544人だった。これに対し、2017年の志願者数は全体で8159人、入学者数は1704人。2005年と2017年を比べると志願者数は5分の1、入学者数は3分の1に減っている。
なぜ、こんなことになったのか。