
セ・リーグが2027年シーズンから指名打者制を導入することが決まった。時代の流れには抗えない。海外のリーグは指名打者制が主流で、メジャーもナ・リーグが22年から導入している。東京六大学野球連盟、日本高校野球連盟など日本の主要なアマチュアの連盟が導入することが決まったことも、今回のセ・リーグの決定に大きな影響を及ぼした。
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「WBCなど国際大会も指名打者制で試合が行われていますし、投手が打席に立つ9人制の野球が時代に合わなくなってきました。野手にチャンスが広がるだけでなく、投手はマウンドでの投球に集中できる。セ・リーグの選手たちも歓迎ムードですね」(スポーツ紙デスク)
采配の妙
指名打者制の導入については、巨人が以前から提言していた。原辰徳前監督は19年の日本シリーズでソフトバンクに0勝4敗で敗れた後、「DH制というのが(ソフトバンクと)相当差をつけられている感じがあるね」とセ・リーグの指名打者制導入を提言して話題になった。その後にDeNAも前向きな姿勢を示したが、この意見がリーグ全体で賛同を得られることはなかった。反対していたのが阪神、広島だった。岡田彰布元監督は23年1月の12球団監督会議で、DH制の導入について「打順をシャッフルしたり、ピッチャーに(打順が)回るとか、回ってこないとか(DH制は)そんな醍醐味がちょっとないよな」と語っていた。
この意見は決して少数派の意見ではなかった。ファンの間でも「投手の打席で代打を出すか。この采配の妙で試合の流れが変わる」、「桑田真澄、川上憲伸のように打撃の良い投手の打席を見るのが面白い」という声が聞かれた。だが、時代は移り変わっていく。