
全国高等学校野球選手権が甲子園で開催され、熱戦が連日繰り広げられている。プロの各球団のスカウトがスタンドから視察する中、希少価値が高いのがスラッガーだ。プロ野球で投高打低が顕著になっている昨今、チームの軸になる「未来の大砲」が欲しい。だが、セ・リーグの球団スカウトは複雑な表情を浮かべる。
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「今大会で能力的に抜きんでているのは横浜の阿部葉太です。ミート能力とパワーを併せ持ち、将来は打率3割、30本塁打を狙える逸材です。ただ、センバツ終了後に大学進学を表明しているんですよね。初戦で姿を消しましたが、田西称(小松大谷)もスイングスピードが速く強烈な打球で、打撃スタイルが福留孝介さんと重なります。田西も大学進学を明言しています。2人はプロの世界に飛び込んでほしかったのですが……。高卒で成功したホームランアーティストは少ないのでその点が影響しているのかもしれません」
ごく一握り
確かに高卒の和製大砲が、プロでも順調に素質が開花するケースはごく一握りだ。2000年代以降で言えば、中村剛也(西武)、中田翔(日本ハム)、筒香嘉智(現DeNA)、岡本和真(巨人)、村上宗隆(ヤクルト)は球界を代表する強打者に進化したが、伸び悩むケースが少なくない。プロのスカウトが高校時代に印象に残ったスラッガーは誰だろうか。
パ・リーグ球団のスカウトは「松井秀喜(ニューヨーク・ヤンキースGM特別アドバイザー)、中村剛也、高橋周平(中日)ですね」と即答した。