チェイス・フィールドでは、屋根を閉じて場内を冷やしておき、試合は開けて行うことが多い。試合中も冷気が屋根、壁から出ているため、暑さを感じることはない。「風が吹くとモワッとした熱気が来ます(笑)」(在京テレビ局スポーツ担当者)のも、アリゾナらしさを感じる瞬間だ。
「内外野の観客席を屋根で覆い、常に冷房を効かせておくのは新しい発想。建設後も電気料金等のコストが高くなるが仕方ない。甲子園が憧れの場所なのは、歴史と共に青空と緑の芝があるから。屋根付き人工芝球場では夢がない」(高校野球に詳しいスポーツライター)
「甲子園の在り方」についてのアンケートが度々、行われる。現役高校生を中心に、「ドーム球場ではなく甲子園でやりたい」という声が大部分を占める。
「健康面や大人の事情もあるだろうが、そこには純粋な思いがある。最新の建設技術を駆使すれば何らかの解決策も見つかるはず。お金が多少かかっても、選手達の“夢”を大切にしてあげたい」(高校野球に詳しいスポーツライター)
お金が必要なら、マーケティングを駆使したりクラウドファンディング等の方法もある。選手、関係者、観客の安全が担保できるなら、今後も屋外の甲子園でプレーできる方法を模索したい気がする。時代は変化しているとはいえ、「天気に左右されるのも野球の素晴らしさ」という牧歌的な部分も大事にしたいものだ。
(文・スポーツライター 田中雄也)
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