
甲子園での高校野球が大きな過渡期を迎えている。問題が続出し適切な対応が求められる中でも、酷暑対策は最重要課題だ。
【写真】スタンドで麻雀、焼肉、流しそうめんが行われた伝説の球場がこちら
「酷暑は選手だけでなく観客への影響も甚大なだけに、素早い対応が必要になる」(高校野球に詳しいスポーツライター)
高校野球の“現在”と“未来”を考えた場合、「劣悪な環境下(=酷暑)でどのように開催すべきか?」を、深く早急に議論しなくてはならない。
運営側の高野連は、可能な限りの対策を取り入れつつある。試合中は給水等が可能なクーリングタイムを導入。昨年からは最も気温が上がる時間帯を避けた“午前”と“夕方”の2部制を取り入れた。
また出場校もユニホームやスパイクシューズを「熱を集めにくい」白色系統に変更するなど、「できること」から着手している。
「プレー環境・施設は良くなってはいる。両チームが使うダグアウトや控えスペースは空調完備で寒いくらいに冷えている。プレーすることだけを考えれば、そこまで悲観することはない」(甲子園関係者)
守備中の選手、攻撃中の打者や走者、ベースコーチは炎天下に立たされる。しかしダグアウト内の選手にとっては、酷暑もさほど関係ない。「クーリングタイムで体が冷え過ぎて、動かなくなる」という声が上がるほどだ。
「選手達は適切な水分・塩分補給でパフォーマンスは保てる。酷暑の影響を受けるのは、スタンドの観客、運営スタッフ、報道関係者。球場内コンコースにはクーラーもあるが、それ以外の場所は地獄の暑さ。日陰にならない場所に居続けるのは不可能だ」(甲子園関係者)
「球場内コンコースには大型エアコンが多数備え付けられている。多くの人が集まって涼んでいるが、通路幅が狭いので人数に限りがある。スタンド内の日陰箇所が空いていなければ、最悪環境での観戦になってしまう」(高校野球に詳しいスポーツライター)