「不甲斐ない戦いを続けるなら見に行かない。チケット代金の元を取れないなら別の場所で遊ぶ。そういった考え方はある意味で健全。少し前の“カープブーム”が異常で、現在が普通な形だとも思う」(カープ関係者)
しかし、黙って見ている訳にはいかない。広島市内にはサッカー専用スタジアム『エディオンピースウイング広島』ができて賑わっている。バスケットB1・広島ドラゴンフライズも広島グリーンアリーナを本拠地として使用する。NPBだけでなく、他競技も含めて近隣にライバルは多い。
「独自の球団運営方法も変わるかもしれない。松田元オーナーの意向で地元・広島を大事にする中、チケットの一括販売や放映権の地元局優遇などが行われてきた。こういう部分にも変化が生まれる可能性はある」(スポーツマーケティング会社関係者)
球場の客層が変わりつつあるように、球団運営も時代の変化に合わせる必要性があるかもしれない。「変えることが可能な」分野がいくつも残されているのはカープの強みだろう。
「まだ7月が終わったばかり。1つの勝利にこだわり戦い続ければ、流れは変わるはず。敵の元監督に酷評させている場合ではない」(カープOB)
「(広島は)打球の勢いがないよね。足も使えない。長打もないんで大量点の期待感がない」(7月29日/岡田彰布氏)
MBSテレビ解説を務めた岡田氏からは、「上から目線」の発言を許してしまった。同じプロ野球チームとして最大の屈辱。カープの選手・関係者は岡田氏の発言を決して忘れることなく、がむしゃらに戦って欲しいものだ。
覚悟を持って戦う姿勢が伝われば、マツダスタジアムの空席も減ってくるはず。なぜなら、広島の人々は絶対にカープを見捨てないからだ。残りシーズン、赤ヘル軍団が何を見せてくれるのかに注目したい。
(文・スポーツライター 田中雄也)
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