松下は侍ジャパン大学代表で主将を任されると、日米大学野球選手権では3割を超える打率をマークし、ホームランも放つ活躍を見せてMVPに輝いた。持ち味である長打力に加えて対応力も着実にレベルアップしている印象を受ける。またサードの守備も安定感抜群で、ショート、セカンドを守った経験があるのも大きい。立石を逃した球団が狙う可能性が高そうだ。

 大塚は大学選手権でホームランを放つと、日米大学野球選手権でもショートとして好プレーを連発。二遊間の即戦力が欲しい球団にとっては狙い目の選手と言えるだろう。

 侍ジャパン大学代表に選ばれながらコンディション不良で出場を辞退した島田舜也(東洋大・投手)、最終選考で漏れた堀越啓太(東北福祉大・投手)もボールの強さは圧倒的なものがあるだけに、秋に本来の投球ができれば1位となりそうだ。

 さらに今回は12人から外したものの、秋次第で浮上してきそうな雰囲気を感じたのが岩城颯空(中央大・投手)だ。

 春のリーグ戦では体調不良で出遅れた影響で短いイニングでの登板に終わったが、昨年よりも明らかに出力はアップ。侍ジャパン大学代表の候補合宿でも見事な投球を見せた。貴重な大型左腕で制球力も高く、先発としても期待できるだけに、秋にしっかり結果を残せば1位に食い込んでくることも考えられるだろう。

 最後に社会人から入れたいのが竹丸和幸(鷺宮製作所・投手)だ。城西大時代から評判の左腕だったが、社会人で着実に成長。都市対抗予選のHondaとの試合ではNPB全12球団が複数人体制で、約40人のスカウトが集結するなどその注目度の高さがうかがえた。

 昨年の伊原陵人(NTT西日本→阪神1位)に比べると少し完成度では劣るものの、細身でまだまだここから伸びそうな雰囲気があるのは魅力だ。貴重な左の先発候補だけに、高く評価している球団も多いだろう。

 8月はいよいよ夏の甲子園が開幕し、下旬には都市対抗も行われる。ここからまた評価がどのように変わってくるのか。引き続き注目してもらいたい。

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