阪神・藤川監督(日刊スポーツ)
阪神・藤川監督(日刊スポーツ)
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 阪神が首位を独走している。後半戦最初のカードとなったDeNAに本拠地・甲子園で2連勝し、貯金は今季最多の20に。セ・リーグの貯金を独り占めし、2位の巨人に10ゲームの大差をつけた。

【表】10ゲーム差以上を大逆転して優勝した8球団

 早々とセ・リーグの優勝が決まる勢いだが、過去には首位と10ゲーム差以上離されたチームの大逆転優勝が8度ある。最大差は1963年の西鉄(現西武)で、7月に首位の南海(現ソフトバンク)と14.5ゲーム離されていたが大逆転。直近は2022年のオリックスで、5月に首位楽天と11.5ゲーム差がついていたが、逆転優勝している。

阪神が13ゲーム差を逆転された2008年

 阪神が独走しながら優勝を逃した年もある。08年の阪神は7月上旬に巨人、中日に最大13ゲーム差をつけて首位を走っていたが、8月にケガを押して北京五輪に出場した新井貴浩が腰痛を悪化させ、シーズン再開後は離脱する事態に。阪神の得点力が低下した一方で、巨人は強力打線が活躍して9月から12連勝を飾るなど猛追。大逆転で優勝を飾り、「メークレジェンド」と形容された。

「阪神は8月に9勝11敗、9月に11勝11敗と決して失速したわけではなかったですが、追い上げる巨人の勢いが凄かった。8月下旬以降に阪神との直接対決で7連勝したことも大きかったですね。あの時の巨人と阪神は投手陣の力は拮抗していましたが、打線に差がありました。巨人はラミレスが45本塁打、小笠原道大が36本塁打、阿部慎之助が24本塁打、高橋由伸が17本塁打をマークしたほか、谷佳知、李承燁、坂本勇人とパンチ力のある打者がそろっていた。阪神は新井が抜けたことで金本知憲へのマークが厳しくなり、なかなか点が取れない。得点力がないと大型連勝が難しいことを痛感させられました」(スポーツ紙デスク)

11.5ゲーム差を逆転させた“二刀流”

 現在、パ・リーグの首位争いをしている日本ハムとソフトバンクが壮絶な戦いを見せたのは16年だ。前年までリーグ連覇を飾ったソフトバンクは、この年も大本命と目され、6月上旬には両リーグ最速で貯金20に到達。3位だった日本ハムに11.5ゲーム差をつけて首位を独走していた。だが、日本ハムが6月19日から球団新記録の15連勝をマークする猛追をし、9月に日本ハムが大逆転で優勝を決めた。4年ぶりのリーグ優勝を飾った日本ハムは貯金34で勝率.621、2位のソフトバンクも貯金29で勝率.606というハイレベルな戦いだった。

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